アーセナルはデクラン・ライスの役割を変えるべきなのか
アーセナルは今夏でチームを完成させた。
それまで必要とされてきた中盤の強化に世界でもトップクラスの実力を持つデクラン・ライスの獲得に成功したのだ。
獲得にかかった資金は1億ポンドを超え、高騰した移籍市場とはいえ非常に高価な買い物となったが将来性を考えると適切な投資であったのだろう。
しかし、彼らは1つ問題を抱えている。
ライスのポジションは果たしてこのままでいいのか?
彼が最も活きるポジションなのか、そして彼をどこに置くことでチーム全体のパフォーマンスが良くなるのか。
ミケル・アルテタ監督の頭の中を少しのぞいてみよう。
ライスのアンカー起用は正しいのか
ライスが現代最高峰のアンカーであることは誰も疑いはないだろう。
ウェストハムユナイテッドに所属していた頃から評判は高く、とりわけアンカーに必要とされる守備力を存分に発揮してピッチ上で存在感をあらわしていた。
しかし、ライスの最大の特徴はその守備力ではない。
ライスはその若い年齢に似合わず守備時のポジショニングが非常に適切なのだ。
守備範囲が広いうえに常に相手からすると嫌な場所に位置取り、仕掛けられれば持ち前の守備でしっかりと潰せる。
おまけに推進力も申し分なくまさに現代のアンカーに必要な能力すべてを兼ね備えている。
「機動力を持つ選手がアンカーに入るのはもったいない」という意見もたまに見られるが、攻撃と守備時の切り替えが何よりも大事なことを考えるとアンカーに置いた方がチーム全体は安定するのだ。
このまま彼が年を取りベテランの域に入った時のことを想像するとアーセナル以外のプレミアサポーターはゾッとするだろう。
これだけを見るとライスのアンカー起用は何ら間違いではなく、むしろこれ以外正しい起用法は無いように思える。
ただ、ミケル・アルテタはライスをアンカーよりも更に適切な位置で使いたいと考えているかもしれない。
インサイドハーフで見せたその可能性
ガブリエル・マルティネッリの1点を守り切って勝利したマンチェスターシティ戦でミケル・アルテタはライスをアンカーではなくインサイドハーフでの起用を行った。
この起用が何とライスの守備範囲の広さを存分に発揮できる最高の状態を作り上げたのだ。
実際に試合を見た人には説明はいらないだろう、ピッチ上を駆け回りことごとくボールを刈り取り前線にボールを運んでいた。
これは実際の試合中のポジションだがまさに縦横無尽に走っていたのが一目でわかる。
彼はアンカーなのか?ボックストゥボックスなのか?
攻守の切り替えに走力を活かした守備で今後アーセナルは大きく安定することになるだろう。
そして噂程度ではあるが将来を見込んでなのか、若いアンカーの選手を既にミケル・アルテタは探し始めており、ライスのインサイドハーフでの起用が本格的にスタートしようとしている。
これからはマンチェスターシティのような強豪との戦いで再現性のあるパフォーマンスを見せられるのか、そして引いた相手に対してライスはどのような役割をしていくのかに注目が集まることになる。
1億ポンドの価値を大いに示すチャンスはこれから存分にやってくる。
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