<前編/2022年最新>2021シーズンのチャンピオンズリーグ出場チームの特徴は?
レアルマドリー
現在のラリーガで首位に立つレアルマドリーは当然今年の出場が決定している。
長らくの間クラブのアイコンとして活躍していたクリスティアーノ・ロナウドが退団し数年、有望な若手やベテランたちが大きな活躍を見せチームとして非常に良い感じに仕上がっている。
今シーズンの注目はやはりカリム・ベンゼマとヴィニシウス・ジュニオールだろう。
ベンゼマはその得点力を遺憾なく発揮し、センターフォワードとして質の高い仕事をこなすなど完全に替えが効かない選手となっている。
ヴィニシウスに関しては以前からその突破力には定評があったものの、決定力に課題を持っていた。
しかし、今シーズンはその決定力に磨きがかかっており、現時点でラリーガで12ゴールを記録するなどチームの鍵を握ると言っても過言ではない選手となっている。
一方で守備面では象徴的存在であったセルヒオ・ラモスとラファエル・ヴァランが退団しており、一気に世代交代が進んでいる。
ゴールキーパーのティボー・クルトワも安定したパフォーマンスを見せており、全体的に隙の無い仕上がりになっている。
エデン・アザールやガレス・ベイルなど強力な能力を持ちながらも発揮し切れていない選手もいるため、優勝には彼らの覚醒が必要となるかもしれない。
アトレティコマドリー
圧倒的な守備の堅さを見せるアトレティコマドリー。
の、はずであったが今シーズンはその守備の堅さは見せられておらず、既に30失点をリーグで記録してしまっている。(2022年2月8日時点最少失点はセビージャで16失点)
彼らの特徴はここ数年で獲得した新戦力たちの姿だろう。
かつて中国へ旅立ってしまったヤニック・カラスコ、ロドリゴ・デ・パウル、マテウスクーニャ、ルイススアレス、アントワーヌ・グリーズマンらが加入し攻撃陣は大きくその姿が変わっている。
今シーズンは厳しい印象を受けるが、土壇場の勝負強さはアトレティコマドリーならではであり、特にトーナメントではその勝負強さは発揮されるだろう。
ましてや彼らは幾度となく決勝まで進んだにも関わらずことごとく敗れシルバーコレクターとなってしまっているため、この大会に懸ける想いは強いはずだ。
守備の再構築を行い、ルイス・スアレスやアンヘル・コレアがしっかりと決めるべきところで力を発揮できれば”強いアトレティコマドリー”を見られるだろう。
バルセロナ
リオネル・メッシが退団し世界に衝撃的なニュースを与えたバルセロナ。
彼らはこの1年で大きく変わっている。
レジェンドであるシャビ・エルナンデスが監督に就任し、さらにはピエール・エメリク・オーバメヤン、アダマ・トラオレ、フェラン・トーレスの獲得、そしてレジェンドのダニエウ・アウベスが戻ってきたのだ。
まだ未知数な部分は多いものの、リーグ戦ではアトレティコマドリーを相手に4得点を奪うなど徐々にチームとしての姿は出来上がっており、とりわけアダマ・トラオレの突破力とダニエウ・アウベスの偽サイドバックのレベルの高さは要注目すべきだろう。
また、彼ら自慢のカンテラからはガビやペドリといった選手が台頭してきており、20歳にも満たない選手ながら既にチームにおいて欠かせない存在となっている。
生まれ変わる時期へと差し掛かっているが、外から獲得した新戦力にチームをよく知るベテラン、そこに若手が入り混じるサッカーには注目したいところだ。
ビジャレアル
高度な戦術を操る名将であるウナイ・エメリが監督を務めるビジャレアル。
ラウール・アルビオルやダニエル・パレホなどベテラン勢が支柱となり支える中、パウ・トーレスやジェラール・モレノなど実力者を揃えておりダークホースとして期待したいチームだ。
そんな中で彼らの注目したいポイントはエメリの展開する戦術だろう。
アタランタ戦で見せたポゼッションを捨てる戦い方を見せ、結果的に6本のシュートと3ゴールを記録し見事に勝利している。
中央で構えるパレホから正確なパスが供給され、前線の速く短い時間で仕事をこなせる選手たちが冷静にチャンスを沈めるサッカーは圧巻の一言だ。
ただ、エメリは相手に合わせて戦術勝負に出ることのできる監督であり、今シーズンのビジャレアルを相手にするのはそう簡単ではないだろう。
特に攻撃的なシステムで挑む際はある程度彼らのカウンターを想定しないと大やけどを負うことになる。
アーセナルでは散々な評価に終わったエメリだが、その高度な戦術の効果は確かなものであり、それを体現する選手が揃ったビジャレアルは是非注目してほしいチームの1つだ。
プレミアリーグ
チェルシー
ロメル・ルカクが加入し、最後のピースと言われていた得点源を手に入れたチェルシー。
トーマス・トゥヘルの手腕も光っており、リーグ戦では直近苦戦しているもののしっかりとチャンピオンズリーグ出場権内を維持している。
彼らの特徴はそのルカクが入った前線ではなく、中盤の強さだ。
中盤に目を向けるとアカデミー出身のメイソン・マウントが覚醒しており、チームトップの7ゴールを記録している。
ジョルジーニョも得意のPKをしっかり決め得点を重ねる一方でゲームメイクの仕事もしっかりとこなしており、マテオ・コバチッチやハキム・ジエクらも高パフォーマンスを見せている。
守備面も無視はできない。
エドゥアール・メンディは既にプレミアリーグナンバーワンの呼び声も上がるほど高いパフォーマンスを発揮し、チアゴ・シウバもベテランらしいプレーがキラリと光っている。
前線のルカクをはじめティモ・ヴェルナーやクリスティアン・プリシッチらはここまであまり得点を挙げることはできず、彼らの課題を解決できないままだが、チャンピオンズリーグで連覇を狙うのであれば前線の選手たちの覚醒は必要条件となってくるだろう。
それでも美しく強いサッカーを展開するチェルシーは決して見逃せない存在であり、ラウンド16から是非見てほしいチームだ。
リバプール
強力なスリートップが特徴的なリバプールも出場チームに入っている。
攻撃的なスタイルを予想している人も多い中、フィルジル・ファンダイクやアリソン・ベッカーを擁する彼らは守備にも大きな強みを持っている。
また、バイエルンの絶対的司令塔であったチアゴ・アルカンタラを中盤に加え、ジョーダン・ヘンダーソンやファビーニョらと絶妙なバランスをとり合っている。
彼らに注目したいのは若手の台頭と冬で獲得した選手の活躍だろう。
トップチームに定着していたハーヴェイ・エリオットは開幕直後に怪我で長期離脱してしまっていたが、ようやく戻ってきておりパフォーマンスも流石のクオリティを見せている。
冬に加入したルイス・ディアスはディオゴ・ジョタ以外で前線に違いをもたらす選手として期待をされている。
安定したパフォーマンスを見せてくれるリバプールだが、モハメド・サラーを中心にルイス・ディアスが加入したさらに強力になった前線はもちろん、エリオットが戻った中盤、大きな柱を揃える守備陣とそれぞれに注目したい選手が揃っているため、是非各選手に注目してみてほしいところだ。
マンチェスターシティ
セルヒオ・アグエロが退団したにもかかわらず安定した得点力と守備でリーグ首位に立つマンチェスターシティ。
アカデミー出身のフィル・フォーデンがあっという間に台頭し、主力となっているがフォーデンをはじめとする中盤の選手が非常に強力であり前線の選手不足を補っている。
戦術的な進化も続けており、下位チームには当たり前のように勝利し強豪相手には綿密なゲームメイクを積み重ねている。
彼らの特徴は圧倒的な攻めの強さだろう。
攻めの強さといえども、単純な得点力の問題ではない。
守備を固めてカウンターを狙うチームに対して様々な攻略手法を持ち合わせており、そのパターンの多さと切り替える柔軟性が異常に高い。
相手陣形を思うがままに動かし、ラヒーム・スターリングや復活したベルナルド・シウバが冷静に沈めていくのが今シーズンの彼らだ。
また、サイドバックにも新たな役割を与え流動的な攻撃はもちろんピッチ上に自由に動き回る選手が1人いることで相手守備陣を混乱に陥れ、守備での対策を難しくしている。
ピッチで行っているプレーは非常に難解であるが、見ている側からすると非常に楽しいサッカーをしているのだ。
昨シーズンはチェルシーに敗れ優勝を逃しているだけに今大会への想いは強いだろう。
またもや進化した彼らのプレーにはぜひ注目したいところだ。
マンチェスターユナイテッド
ここ数年で大きな変化が起こっち得るマンチェスターユナイテッド。
かつてエースを務めていたクリスティアーノ・ロナウドが加入し、ブンデスリーガで活躍したジェイドン・サンチョやラファエル・ヴァラン、エディンソン・カバーニなど実力者たちが揃っている。
しかし、メイソン・グリーンウッドの逮捕や実力者たちの活躍の不十分さでリーグでも結果が伴っていない状況となっている。
そんな中彼らに注目したいのはスター選手たちの噛み合いだろう。
圧倒的なパフォーマンスが少し薄れてしまっているブルーノ・フェルナンデスが復調し、類まれなる勝負強さを備えるロナウドが得点を量産し、マーカス・ラッシュフォードやジェイドン・サンチョら前線の選手が噛み合うと彼らは爆発的な力を発揮するだろう。
戦術的には少し混乱しているところもあるが、スカッドは揃っているためトーナメントでは彼らの存在は決して無視できないだろう。
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