2020年シーズン、チャンピオンズリーグチーム16チームの特徴と強みまとめ
ラ・リーガ
レアルマドリー
言わずと知れたチャンピオンズリーグ最多優勝クラブ。
今シーズンはバルセロナとラ・リーガで優勝争いを演じているが決して調子が良いとは言えない。
大きな得点源であったクリスティアーノ・ロナウドを売却し、カリム・ベンゼマがストライカーとしての意地を見せてはいるもののギャレス・ベイルとエデン・アザールがまったく脅威になりきれていないのだ。
ジネディーヌ・ジダンはさすがの手腕でチームを上手くコントロールしており、そこに新戦力であるフェルラン・メンディとフェデリコ・バルベルデが大きな活躍を見せているため比較的安定はしている。
しかし、1発勝負のチャンピオンズリーグでは安定感よりも爆発力が重要となるためレアルマドリーの優勝は高いとは言えないだろう。
さらにここにきてエデン・アザールが骨折をし、今シーズンの復帰は不可能とも言われている。
今一度セルヒオ・ラモスやカゼミーロを中心に守備を構築しなおし、「理不尽」な攻撃を仕掛けることができるギャレス・ベイルの起用法を考えなければならない。
バルセロナ
バルセロナはキケ・セティエンに監督が代わりポゼッションスタイルを取り戻そうとしているものの相変わらずメッシ依存が激しい。
ルイス・スアレスは怪我がちであり、ウスマン・デンベレも年中怪我で離脱しているようなイメージだ。
さらには新加入のアントワーヌ・グリーズマンも本領発揮とはいかずにいる。
2年連続で衝撃的な敗戦をしている彼らのメンタル状態が気になるものの、おそらく泥まみれになってでも優勝を狙うだろう。
中盤には高いポテンシャルを誇るフレンキー・デヨングや闘士アルトゥーロ・ビダルらがいる。
前線も”何か”をしてくれそうなヤングスター、アンス・ファティが控えており、そして圧倒的な牙を持つリオネル・メッシが厳しい局面になろうとも勝負を決めてくれるはずだ。
不安な点が多いようで特出した強みを持っているため油断さえなければ危なげなく駒を進めることができるはずだ。
アトレティコマドリー
世界で屈指の守備力を誇る戦う集団がアトレティコマドリーだ。
けが人の多さが目立ち、毎年見せている圧倒的な守備力は少々失っているように見える。
セットプレーからの失点が増えているのだ。
明らかにディエゴ・ゴディンの退団の影響が出ている。
課題はそれだけではない。
アルバロ・モラタら前線がまったく点が取れず、チーム全体が得点力不足に陥っている。
しかし、主力が次々と流出しているアトレティコマドリーでシメオネが絶対に手放そうとしない男の存在が大きい。
それがキャプテンを務めるコケだ。
プレーの精度はもちろんアトレティコそのものをピッチ上で体現するコケの存在はいかにけが人が多かろうとチーム力を下げるものではない。
今一度チームとして結束し、伝統の守備力を発揮すれば悲願の栄光をつかみ取ることができるはずだ。
バレンシア
リーグで苦戦している名門、バレンシア。
新戦力であるマキシ・ゴメスはそこそこの活躍を見せてはいるものの根本的に選手層が薄いのだ。
定期的に優秀なカンテラーノを引き上げているバレンシアだが、現在もフェッラン・トーレスやカルロス・ソレールらヤングスターがチームを引っ張ろうと奮起している。
しかし、市場に出ている確かな実力を持つ選手を獲得するだけの資金力が彼らには存在しないのだ。
そんな中、バレンシアはシンプルかつスピーディで破壊力のあるサイドアタックを中心とした攻撃を展開している。
ゴンサロ・ゲデスの起用法に疑問は残るものの彼らには十分な力と改善する余地はある。
守備の監督であるマルセリーノが作った守備戦術は残っており、セラーデスはディフェンス陣をコンパクトにすることで複数人で連携してボールを奪いにいくことができている。
ただ、センターバック陣に怪我が多いのは懸念すべき点だろう。
さすがに戦術を整えても怪我人の穴を埋めるのは難しい。
からレが戦うべきはまずは選手のコンディションかもしれない。
プレミアリーグ
リバプール
前年度の王者にして世界王者でもあるリバプール。
間違いなく優勝候補の一角だが、リーグ戦ではここまで無敗、さらに引き分けもライバルであるマンチェスターユナイテッドとの一戦のみだ。
穴らしい穴もなく脅威的なスリートップを中心とした圧倒的な攻撃力とアリソン、ファンダイクを中心とした鉄壁の守備陣は相手指揮官の頭を非常に悩ませるだろう。
バルセロナ戦でも証明した通り主力を欠いていても勝利するだけのメンタリティと底強さも兼ねている。
また、熱血漢であるユルゲン・クロップが率いていること、そして近年はタイトルから遠さがっていたことからチーム全体に油断や傲慢さも無い。
アンドリュー・ロバートソンとトレント・アレクサンダー・アーノルドによるサイドアタックの強度も下がるどころか増しており、世界で最もセットプレーの強いチームの一つになっている。
とにかく実力と勢いを兼ね備えたリバプール。
一発勝負で得意のハードなサッカーを見せることができるのか、注目しておこう。
マンチェスターシティ
2年間のチャンピオンズリーグ出場停止処分となりサッカー界に激震が走った。
世界で最も高価なチームの一つであるマンチェスターシティにはペップ・グアルディオラの哲学が浸透し、それを体現できるレベルの高い選手が揃っている。
しかし、彼らも無敵ではなかった。
守備の要であるエメリク・ラポルテが離脱してから調子を落とし、リーグではリバプールと20ポイント差以上離されている。
それでも彼らの強さに陰りはなく、今シーズンはケヴィン・デブライネが鬼神の如き活躍をしており完璧なアシストマシーンと化している。
調子を上げてきたガブリエル・ジェズスにプレミアリーグ最強のストライカー、セルヒオ・アグエロも万全の状態だ。
完成度の高さでは随一を誇る彼らはもはやリーグのタイトルや国内カップは必要とはしていない。
悲願のチャンピオンズリーグ優勝が喉から手が出るほど欲しいはずだ。
焦らず完成度の高さを見せつけるようだサッカーを展開すれば確実に決勝まで進むことができるはずだ。
チェルシー
クラブレジェンドであるフランク・ランパードが監督となったチェルシー。
補強禁止処分が下ったことで戦力が限られてしまったが若手を見極める目を持つランパードはタミー・アブラハムやメイソン・マウントらヤングスターを見事に育ててきた。
しかし、やはりクオリティ不足なのは否めない。
前線ではベテランであるオリヴィエ・ジルーがどこまで息を吐けるのか、そしてかつて堅守だったことろしっているランパードが4バック、3バックのどちらを採用してくるのかは注目ポイントだ。
最近ではゴールキーパー問題も出てきているため早急に固める必要があるだろう。
そんな問題を抱える彼らも中盤は高いクオリティを保っている。
エンゴロ・カンテやマテオ・コバチッチ、そしてジョルジーニョが魅せる技には目を見張るものがあり、彼らの活躍次第では試合を完全に支配することも可能なはずだ。
結局はストライカーであるタミー・アブラハムやオリヴィエ・ジルーらの出来次第となることもあるだろうがそこはランパードの采配に注目だ。
スパーズ
ジョゼ・モウリーニョが就任し、いよいよタイトル獲得が期待されているスパーズ。
しかし、現状は厳しいままだ。
冬の移籍市場でジェドソン・フェルナンデスとスティーブン・ベルフワインを獲得したもののエースのハリー・ケインが長期離脱となる見込みだ。
モウリーニョらしい堅守もなく、中盤では未だにベストな組み合わせが見つかっていないように見える。
さらに拍車をかけたのがクリスティアン・エリクセンのインテル移籍だ。
チームに創造力をプラスしていたエリクセンの穴は大きく、ジオバニ・ロチェルソが代わりの役を務めることを期待されているもののやはり天才ミッドフィルダーが抜けたことは大打撃だ。
リーグでも好調とはいえず、ソンフンミンやルーカス・モウラの個人技に頼ってしまうだろう。
早速フィットしたベルフワインとモウリーニョが好んでいるデレ・アリ、昨年のチャンピオンズリーグでも活躍したルーカス・モウラをどう起用するかでいい意味でも悪い意味でも大きく転ぶとみられる。
セリエA
ユベントス
イタリア王者であるユベントスはレアルマドリーからクリスティアーノ・ロナウドを獲得し、欧州カップ戦のタイトルをまるで狼のように狙っている。
マウリツィオ・サッリが監督となりチームは大きく変わるとみられていたが、かつての圧倒的なほどの強さは無くなっているようだ。
選手層の厚さは相変わらずであり、レジェンドであるジャンルイジ・ブッフォンのためにもやる気は満ちている。
クリスティアーノ・ロナウド、ゴンサロ・イグアイン、パウロ・ディバラ、フェデリコ・ベルナルデスキなど前線には個人でも打開可能なタレントが揃っており、中盤もフリーで獲得したアーロン・ラムジーやチームの中心的人物であるミラレム・ピャニッチなど実力者が君臨している。
調子の波が少々目立つユベントスだが若手とベテランの融合が上手く、サッリが展開する戦術も浸透し始めている。
大舞台で主役になることができるクリスティアーノ・ロナウドが決めるべきところで決められるのか。
ユベントスの運命を握っている張本人と言ってもいいかもしれない。
ナポリ
グループステージでリバプールを下したナポリ。
リーグ戦では調子がイマイチなものの国内カップ戦で勝ち上がるなど相変わらずのクオリティを保っている。
前線の3人はもちろんイルビング・ロサーノやアルカディウシュ・ミリクらも控えており中盤では多くのクラブが注目するアランやピオトロ・ジエリンスキらが君臨している。
ゴールキーパーのメレトは凄まじく成長しており、何よりディフェンスの要であるカリドゥ・クリバリの壁はそんなに軽くないはずだ。
だが、彼らの注目ポイントは中盤で溢れんばかりのテクニックを見せつけるファビアン・ルイスだ。
決定的なパスを出したかと思えば自ら得点するだけのシュートセンス、さらにはガットゥーゾ監督を満足させるだけの守備意識も備えている。
十分にタレントが揃っているナポリは今大会でダークホースとなることができるのだろうか。
アタランタ
ナポリ以上に大会のダークホースとなり得るのがアタランタだ。
ユベントスやインテル、ナポリやラツィオを凌駕する破壊的な得点力でセリエAを圧巻している。
強力なウイングバックが攻め立て、ヨシップ・イリチッチやドゥサン・サパタらの破壊力は今シーズン2度も7ゴールを決めたセリエA最強の攻撃力を表している。
特に小柄なテクニシャン、アレハンドロ・ゴメスはチームの要であり易々とPA内に侵入してくる技術を持ち合わせている。
ガスペリーニが長い時間をかけて浸透させた戦術はマンマークを徹底しており、非常に激しい守備と恐ろしくも華麗な攻撃を持つチームへと進化したのだ。
ウイングバックは試合中何回もクロスを待ち構えるためにPA内におり、ストライカーたちに負けないほどの得点を重ねている。
それは彼らの強さの一つでもある。
アレハンドロ・ゴメスは確かにチームの中心だが決して誰かに攻撃を依存しているわけではないのだ。
どこからでも点を取れるアタランタ。
彼らと相対するチームは失点覚悟で試合に臨む必要がありそうだ。
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