<後編/2022年最新>2021シーズンのチャンピオンズリーグ出場チームの特徴は?
セリエA
ユベントス
リーグの連覇をついに逃し、長くリーグを支配していた時代に幕を閉じるのかとも言われているユベントス。
クリスティアーノ・ロナウドを獲得し、圧倒的な得点源を手に入れたかと思いきやチーム全体のバランスが悪く、以前までの圧倒的な力は失ってしまったかのように見える。
しかし、かつてユベントス躍進時の監督を務めていたマッシミリアーノ・アッレグリが再び就任し、フェデリコ・キエーザ、アルトゥールなどを加えた彼らは新たなチームとして生まれ変わった。
まだまだ完成形とは言えないが、今冬に新たに加入したドゥシャン・ヴラホビッチには大いに注目したいところだ。
セリエAでも屈指のストライカーへと成長をしており、既に世界中で注目されているアーリング・ブラウト・ハーランドと同等のポテンシャルを秘めていると言われている。
そんなヴラホビッチの獲得劇の中、ドイツ方面からはデニス・ザッカリアの獲得に成功しており中盤も大きく強化している。
再びセリエAを圧巻し、念願となるチャンピオンズリーグを制覇するための準備は整い始めている。
大粒の選手が揃い始めた彼らのサッカーはきっと美しく、強いものになるだろう。
インテル
昨シーズンのセリエAを制覇し、今シーズンもここまで首位に立つインテル。
ロメル・ルカクを放出し大幅な戦力ダウンが予想されていたものの、その予想を見事に覆し、
リーグ首位を維持している。
そんな彼らの特徴は大崩れしない安定感だ。
自慢のスリーバックはクロスを問題なく跳ね返し、守備の強固なイタリアをまさに彷彿とさせる守りを見せてくれる。
前線もラウタロ・マルティネスはもちろんのこと、新戦力であるエディン・ジェコが空中戦で圧倒的な強さを見せ、リーグでも既に2桁得点を記録するなど攻撃力もリーグ屈指となっている。
各方面から絶賛されるニコロ・バレッラも健在であり、当初は批判されていたハカン・チャルハノールも徐々に調子を上げている。
何といっても難しい試合を勝ち切ってしまう勝負強さを兼ね備えているため、今シーズンのインテルを相手するには思い切った戦術と個の力に頼らざるを得ない時が出てくるだろう。
ただ、彼らはまだ発展途上にあるチームでもあるため今後の熟成次第では今以上の強さを発揮する可能性もある。
底力を秘めるイタリア王者の戦い、それもその勝負強さにはぜひ注目してほしい。
ブンデスリーガ
バイエルンミュンヘン
言わずと知れたドイツ王者のバイエルン。
今シーズンはブンデスリーガからバイエルンのみとなってしまっているため、リーグを代表して優勝を全力で狙ってくるだろう。
バイエルンは毎シーズン変わらず安定感のあるバランス力に優れた戦いを展開しており、今シーズンも例外ではない。
ダビド・アラバを放出した影響は決して小さくは無いが、RBライプツィヒから獲得したダヨ・ウパメカノをはじめバックラインの頭数はしっかり揃えている。
前線はアジリティ力の高い個人力のある選手が揃っており、ベテランの域に入ったロベルト・レヴァンドフスキとトーマス・ミュラーの脅威も未だ健在だ。
サイドで速い戦いを展開し、縦パス一本で裏を取れる選手が複数おり、気が付いた時にはゴール前で得点を奪おうと選手たちが殺到するようなサッカーを見せてくれる。
それゆえ相手を押し込む強さは随一であり、引いて守ってもサイドアタックと中央突破を繰り返す彼らの前ではいずれ守備が崩壊してしまうだろう。
チャンピオンズリーグ優勝候補にもなっているバイエルンだが、監督交代とこれまでチームに貢献してきた選手の退団でどれほど影響が出ているのか今後わかることになるだろう。
リーグアン
パリ・サンジェルマン
欧州で最も高価なスカッドを持つチームの1つであるパリ・サンジェルマン。
目玉の1つはもちろんリオネル・メッシの加入だろう。
圧倒的な結果を残してきた世界的スーパースターのメッシ加入はブランド力向上においても絶大な効果が期待される。
また、彼の加入でパリ・サンジェルマンの個の力は今や絶頂ともいえるレベルになった
ネイマールにキリアン・エムバペ、アンヘル・ディマリアにマルコ・ヴェラッティなどネームバリューのある選手たちが数多く在籍しており彼らに頼らざるを得ないチーム構築にもなってしまっている。
そのため、今シーズンのパリ・サンジェルマンはチームとして決して強固にまとまっているとは言い難く、新戦力であるセルヒオ・ラモスも怪我で離脱を繰り返すなど守備の改善もし切れていない。
チャンピオンズリーグで悲願となる優勝を狙うには個の力を最大限に引き出し、ヴェラッティを中心とした中盤から守備にかけての組織構築が必須となるだろう。
第戦力を活かし切れていない印象の強いパリ・サンジェルマンだが、タレント力には要注目したいところだ。
リール
昨シーズンのリーグアンにて絶対的存在であるパリ・サンジェルマンを退け見事にリーグ優勝を果たしたリール。
今シーズンもその勢いのまま、かと思われたが主力や監督の退団により戦力は一気にダウンし、リーグでは中位に沈んでしまっている状況だ。
それでもリールはリーグアン屈指の育成上手なクラブであり、毎年有望な若手を輩出している。
直近では現在のリーグ得点ランキングで3位に位置しているジョナサン・デイビッドが最も注目すべき選手だろう。
主力の流出があったとはいえここまで得点を積み重ねている能力は本物であり、チャンピオンズリーグでの活躍も期待したいところだ。
デイビッド以外にもティモシー・ウェアや今冬に多くのクラブが獲得に向かったと言われているスヴェン・ボットマン、かつての神童であるレナト・サンチェスら注目すべき選手は多く在籍しており、フリーでハテム・ベンアルファもチームに新しく加えており、ダークホースになる材料は揃っている。
総合力では見劣りする部分もあるが、1人1人の戦力では決して負けない陣容のためダークホースとなり得る可能性は十分に秘めているだろう。
プリメイラリーガ
スポルティング・リスボン
ポルトガルの重鎮がここに登場。
今シーズンはどっしりと後ろに構えるスタイルで臨むことが多く、守備に関してはリーグで最少失点数を記録していることもあり自身を持っているだろう。
しかし、彼らで最も注目すべきなのはその守備ではなくカウンターからの素早い攻撃を展開する前線の選手たちだ。
チーム内得点王のパウリーニョは昨年の冬にブラガから加入した選手だが、すっかりチームにも定着し貴重な得点源となっている。
その他にもここまでリーグ6得点を記録しているペドロ・ゴンサルベスも見逃すことのできない選手だろう。
スピード溢れる前への推進力は素晴らしく、カウンター時には強力な武器として機能する。
チーム全体としても前傾姿勢で攻めるようなことは予想されにくいが、リーグで見せている守備をしっかりと再現し、カウンターへと繋げることができれば十分に勝ち上がれる力を持っているチームだ。
ベンフィカ
今シーズンはヤン・フェルトンゲン、ニコラス・オタメンディ、エヴェルトン、ラファ・シウバなど粒ぞろいの選手を揃えているベンフィカ。
ボールの保持を得意とする選手が前線にいるため、とりわけポゼッションスタイルでサッカーを展開することも多くなっている。
彼らのチャンスの多くはサイドから生まれており、中央のユリアン・ヴァイグルがポゼッションの肝となっているものの気づけばサイドの裏を取られていた、なんてことも起こるくらい容易にスルーパスが通るのだ。
また、前線からのプレスの連動も見事であり、まさに攻守ともにバランスの取れた総合力で勝利を奪いに来る代表的なチームだろう。
上記で挙げたビッグネームたちの活躍ももちろん見てほしいが、彼らの守から攻、攻から守の素早い切り替えとその連動の正確性は必ず注目するべきだろう。
オーストリア・ブンデスリーガ
RBザルツブルク
言わずと知れたレッドブルグループのRBザルツブルク。
ここ数年はRBライプツィヒと同様の育成プログラムを使用し逸材を生み出し続けているクラブだ。
サッカースタイルは攻撃的な戦術を採用することが多く、今シーズンも例外ではない。
少し前と比べると前から猛烈なアプローチをかける機会は減っているものの、即時ボールを回収し最短距離でゴールを目指すスタイルは変わらず健在のままだ。
ビルドアップも洗練されており、ディフェンスから入る楔を合図に素早くボールを前線まで回すことのできる技量も備えている。
アンカーの脇やサイドでの数的不利を作られることが弱点であり、強力なサイドアタックやプレッシングを多用するチームを相手にする際どう対策するのかに注目したいところだろう。
また、ザルツブルクには欧州から多くの注目を集めるカリム・アデイェミが在籍しており彼の見せる突破力や得点力、創造性にはぜひ期待したい。
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