今シーズンもまたプレミアリーグが始まり、第1節が終わったばかりとはいえ優勝争いはもちろん、CL権やEL権争いまで激化しそうな勢いである。
例年通りいくといつものビッグ6のクラブが上位を独占するだろう。
しかし、今シーズンはそのビッグ6の支配を崩さんとするクラブが2つあるのだ。
もちろん、エバートンやウェストハムは毎年期待されており上位に食い込む可能性は十分ある。
だが、今回紹介するのは少し前まで2部で戦っていたクラブだ。
レスターシティは昇格してからの1年目に”奇跡の残留”を果たし、翌年にはなんとプレミアリーグで優勝してしたのだ。
クラウディオ・ラニエリ監督の戦術がガッチリとはまり、優勝を果たしたレスターシティは潤沢な資金を得て大型補強に踏み切った。
調子が出ずにラニエリ監督は解任されてしまったが、それでも彼らには十分チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグで戦うだけの力がある。
では、そのレスターシティが上位に食い込めるであろう理由を見てみよう。
有望な若手が多い
レスターシティにはしばしばレスター5人衆(Leicester’s five)と称される有望な若手選手たちがいる。
ジェームズ・マディソン、ハムザ・チョードリー、ウィルフレッド・エンディディ、ベン・チルウェル、そしてユーリ・ティーレマンスだ。
彼らは既にビッグクラブでプレーできるだけの力を持っている。
タイトルを取らなければいけないというプレッシャーに押しつぶされることがないため、余裕をもって若い選手たちを起用することができるのだ。
その結果、マディソンやエンディディたちは当初予想されていた、もしくは予想以上の力を身に着けることに成功した。
また、レスター5人衆だけではない。
今夏獲得したデニス・プラートも実力派MFであり、若い選手たちが揃う中盤で激しい競争を勝ち切りだけの力を持っている。
チャグラル・ソユンク
上位を目指すレスターにとって唯一の懸念点はハリー・マグワイアの移籍だろう。
かつて優勝に導いた張本人とも言われるエンゴロ・カンテがチェルシーに移籍してからというものの、チームはすっかり低迷してしまった。
そして今度は守備の要であったマグワイア移籍によってどれほどチーム力が低下するのかが指摘されている。
しかし、アーセナルも目をつけていたこのトルコ代表DFはそれらの心配をすべて打ち消してくれる。
チャグラル・ソユンクはフライブルクに所属していたところレスターシティが2018年に獲得した選手だ。
足元の技術がしっかりとしており、一部ではマッツ・フンメルスに例えられることもあるプレースタイルだ。
先日行われたプレミアリーグ第1節、ウルブズ戦で先発出場し見事なパフォーマンスを見せてくれた。
”マグワイアの代わり”というプレッシャーをなんなく受け止め、ラウールヒメネスの脅威を取り除いて見せたのだ。
カスパー・シュマイケルが守護神を務めているチームにおいてソユンクを新たなディフェンスリーダーにすることでレスターシティは安定した守備を失うことはないだろう。
ブレンダン・ロジャース
プレミアリーグにおいてはスウォンジーシティとリバプールを率いた経験のあるブレンダン・ロジャース。
セルティックでは見事なチーム作りをし、国内最強を誇った。
ロジャースの基本戦術はポゼッションスタイルだ。
しかし、ここ数年のマネージャー歴を経て非常に対応力を鍛えたように見える。
ロジャースの下で4-1-4-1を基本フォーメーションにしたことでティーレマンスがよりプレーしやすくなっている。
また、ヴァーディの良さを引き出すためにアクティブに動けるようなシステムに変更している。
結果的にシュート本数も増えており、ヴァーディ本人もストレスなく試合中動くことが許されているのだ。
ロジャースの戦術はまだまだこれから浸透するはずであり、チームが徐々に完成に向かうであろう今シーズンのレスターは恐ろしいチーム力を持つに違いない。
今夏の補強
レスターシティは今夏、デニス・プラート、アヨセ・ペレス、そしてユーリ・ティーレマンスの完全移籍など積極的に動いていた。
ニューキャッスルで活躍していたペレスはプレミアの地に慣れており、プラートはアンデルレヒトで頭角を現したところイタリアのサンプドリアに獲得された実力派MFだ。
そして何よりチームの核になることが予想されていたユーリ・ティーレマンスを完全移籍で獲得した。
完ぺきとは言えないかもしれないが素晴らしい動きを見せ、確実にチーム力は向上している。
勝ち点3を得る機会が増えるはずのレスターシティ。
来シーズンには青いユニフォームを身に着けCLの地で暴れている彼らを見ることができるかもしれない。
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