この記事において、昨シーズンのトップ6以外のチームが今シーズンのトップ6に入り込むとすればそれはレスターシティかウルブズだと記述してきた。
ウルブズは調子が上がらぬままだが、レスターシティは周りの期待を裏切る勢いで上昇を続けている。
その強さが本物かどうか試される試合、つまりビッグ6相手においても堂々とブレンダン・ロジャース流のサッカーを貫いてきたのだ。
そして昨夜、キングパワースタジアムにおいて新たな挑戦が待っていた。
調子が悪いとは言え、アーセナルを相手にするのはそう簡単ではないはずだ。
しかし、結果は2-0と完勝し内容でも文句なしの出来であった。
ではなぜ彼らはアーセナル相手にここまで素晴らしい試合を演じることができたのか。
その理由に迫ってみよう。
1.レスターシティのビルドアップ
かつてリーグを制した王者の姿はそこにはなかった。
ボールを持ち、美しくも抜群の破壊力で相手を粉砕する恐ろしいチームに生まれ変わったのだ。
レスターシティのビルドアップは一見すると非常にシンプルだが洗練されている。
サイドバックを効果的に使い、中にいる選手と連携を取りながらその場に合った最適な方法でエリア内に侵入してくる。
さらにはハーヴェイ・バーンズやジェームズ・マディソンらは常に相手の縦パスを狙っていた。
逆にアーセナルはレスターシティの縦パスを見逃しすぎたのだ。
その結果サイドにボールがいきわたった時には数人のボールウォッチャーが生まれ、好き勝手な攻撃ができるようになったのだ。
レスターシティのポゼッションスタイル、あの崩しのレベルは今やプレミアでも随一のものだろう。
2.アーセナルはまるで頭のない蛇のようだった
昨日のアーセナルに何か繋がりを見出すことはできただろうか?
まるで頭を失った蛇のようにバラバラで効果的ではない攻撃を続けるだけの展開であった。
グラニト・ジャカが出場せずとも結局は何も変わりはしなかったのだ。
攻撃、守備のどちらにおいても決まりごとがあるようには見えず、失点シーンでのボールウォッチャーもまるで攻撃を想定していなかったのような表情をしていた。
さらには交代はまったくハマることはなく、さらにレスターシティに押し込まれる展開が続いてしまった。
ウナイ・エメリ監督はまだ立て直せると信じているようだが早急にチームの繋がりを復活させなければならない。
タレントは一定数揃っているため再びチームとして固まることができればその問題の多くは解決されるだろう。
3.ニコラペペの投入
レスターシティにとって結果的にラッキーな出来事であった。
3-5-2のフォーメーションからして、エメリがレスターの両サイドバックを抑えたいという考えは見えたがニコラペペ投入はあまりにもその意図とは逆に見えてしまう。
後手に回ったことによる焦りなのかもしれないが、結局後半残り少ない時間で結果を出すことができないニコラペペは左サイドを務めるベン・チルウェルにとってありがたかっただろう。
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