ウナイ・エメリが解任され、クラブOBであるユングベリが暫定監督としてと率いているアーセナル。
しかし、この悪循環からはなかなか抜けられそうにない。
先日の解任直後のリーグ戦でも降格圏に沈むノリッジシティ相手にドローという結果に終わった。
それも内容はノリッジシティが圧倒しており、ベルント・レノの活躍がなければ惨敗していてもおかしくはなかった。
その課題を解決すべく次の監督として候補に挙がっているウルブズ指揮官、ヌーノ監督はアーセナルにとって良い選択肢なのだろうか。
今回はヌーノ監督がアーセナル指揮官にピッタリなのか否かについてポイントを抑えながら説明してみよう。
1.ヌーノのスタイル
ヌーノ監督は現在のウルブズで非常に面白いチーム作りをしている。
堅守速攻を売りにしており、これまでの多くのジャイアントキリングを成し遂げてきた。
主に3-5-2や3-4-3を使い、両ウイングバックの動きが非常に重要となる。
相手を陣地内に閉じ込めるような左右からのプレッシャーにより、決して「ドン引いて守る守備」ではないのだ。
更にはこの両ウイングバックは多くのインターセプトを成功させ、攻撃面ではキーパスの提供もできてしまう。
つまりヌーノが現在のスタイルを貫き通すことを考えればサイドの選手が彼にとって非常に大きな存在となるのだ。
インターセプトの多さが物語る守備意識の高さは決してサイドの選手だけではない。
ストライカーであるラウール・ヒメネスを含めウルブズ全体が前から奪う守備意識を植え付けられているのだ。
良いディフェンダーが揃っているとは言えないアーセナルにとってこの守備意識の高さは現在の状況を大きく改善することができるものではないだろうか。
前線にはスピードのある選手が揃っており、サイドではエクトル・ベジェリンやキーラン・ティアニーなど強力なサイドアタックを完成させることができるだけのクオリティを持った選手たちがいる。
2.悪い状況も経験している
ヌーノはバレンシアを率いていた際に多くの事を経験した。
ラリーガで4位に入りこむなど良い結果を残し、ファンから信頼を得ることに成功していた。
しかし、成功はそう長くは続かなかったのだ。
13試合で5回の勝利という結果となり、徐々にサポーターや選手から求心力が低下していた。
そしてセビージャとの戦いを落としたことが決定打となり解任となった。
現在ウルブズではかなり良い結果を残しているヌーノだがあのバレンシアでの経験から多くの事を学んでいるはずだ。
また、あの頃のスカッドは非常に若く選手の質も今のアーセナルのほうが上であり彼のやりたいことを体現できるはずだ。
プレミアリーグがどのようなリーグなのかを理解し、戦術家らしい戦いを見せているヌーノ。
アーセナルであれば更に面白いチームに仕立て上げることができるだろう。
3.より良い選択肢が見つからない
結局行きつく先はこれである。
現在はクラブOBであるユングベリが暫定指揮官としてチームを率いているが監督としての能力があるかどうかは未知数である。
本来であればマッシミリアーノ・アッレグリやエリック・テンハーグ、マウリシオ・ポチェッティーノらが良いオプションに見えるがどれも現実的ではないのだ。
現実的な範囲でアーセナルにフィットする監督は現段階ではヌーノしかいないのである。
仮に上記に挙げた監督たちが前向きであったとしても守備が崩壊している現在のアーセナルをアッレグリやテンハーグが立て直せるのだろうか?
プレミアリーグに慣れる必要も考えると彼らのような名将よりも確実に結果を残せる監督のほうが信頼できるだろう。
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